お朔日

 

お朔日のお参りありがとうございます。

 

今月のはんこは、明石の君が六条院の冬の町の住人となることに因みました。

 

 

 

 

 

 

『明石の君は大堰から六条院冬の町に移る。

 

冬の町の住人にふさわしく神無月のことである。

 

冬の町の北側には倉が並び、隔ての垣には

 

松の木がたくさん植えられているのは、雪を楽しむためである。』

 

 

 

 

『明石の君と姫君の離別から7年後、姫君の入内が決定する。

 

 

明石の君は後見役として宮中に出入りするようになる。

 

 

賢明な明石の君の配慮の行き届かないところはなく、

 

 

 姫君の世間からの信望名声はいうまでもなく、並々ならぬ美しいお姿で、

 

 

 東宮の寵愛は深く、四男一女の子宝に恵まれる。

 

 

 

 

 

 

源氏の六条院の冬の町の住人となった明石の君は、東宮の后の実母として、

  

 

 紫の上・秋好中宮・花散里と伍するほどに、その立場は飛躍的に上昇している。

 

 

明石の君とその姫君は、入道の思惑以上に明石一統の再興を実現するとともに、

 

 

 源氏一統の将来のいやまさる繁栄をも支えることになる。

 

 

 

 

 

しかし、受領層にとって夢のようだと憧れられる明石の君の栄耀も、

 

 

 きびしい自己統制、耐えがたい忍従によってもたらされたのである。

 

 

 そこに、明石の君という人物の痛苦と栄光がある。』